ひたむきに続けることが人の心を打つ

広島の前田智徳選手が5日の試合を最後に引退しました。
引退試合を終え、記者会見に臨んだときの言葉があります。

「志は高かったんですけどね」

(日経新聞10月6日(日)14版1面のコラム「春秋」から。以下も。)

■ 広島の前田智徳外野手(42)はどんな人か。

・落合、イチロー、松井といった強打者が天才と認めた資質。
・絶頂期を襲ったアキレス腱断裂をはじめケガだらけの選手生活。
・わずかの差で届かなかった首位打者のタイトル。
・才能や努力に十分見合う結果が伴わなかった。
・「スポーツを『視る』技術 (講談社現代新書)」(二宮清純著)が紹介する彼の逸話は、
高校生にして求道者の趣であった。

主将を務める4番打者。
甲子園の試合、初回にタイムリーヒット。
攻撃が終わっても彼一人だけが、頭を抱えてベンチに座ったまま。
目を真っ赤にし、「オレはダメです」とつぶやいた。
ヒットを打ってもその内容が気に食わないとこうなってしまう。
部長は彼に頭を下げて、守備につくように促した。

■ 代打で出てくると怖かった。

私は野球ファン。
子供ころから巨人、大鵬、卵焼きで育ったので、今も相変わらず巨人ファンだ。
チームの運営などでは色々文句は言いたいし、気に喰わないことも多い。
しかし、ファンを続けている。

広島戦では、接戦になると必ず代打で前田選手が登場する。
見ている私まで心拍数が上がってしまう。

「いかん、やられてしまう」

こんな恐怖を感じていました。

引退で来シーズンからは怖い代打がいなくなる。
巨人も安泰だ。しかし、寂しい。

■ ひたむきに続けてきた。

掲げた高い志の旗を、ケガでズタズタになっても降ろさなかった。
前田選手のひたむきな姿勢が、人の心を打つ。

■ もうこれでダメだと思うときがある。

人生には何度か逆境に遭遇する時がある。
もうどうにもならないと感じる時がある。

それでもひたむきに自分のできることに全力で取り組む他にない。


スポーツを「視る」技術 (講談社現代新書)

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