生計に足る報酬を得るために、必要なこととは?

「生計に足る報酬を得る」にはどうしたらいいのか?
ただ望んでいれば手に入るものではありません。

 

パーソナルビジネスモデル・キャンバスのブロックで言えば、「報酬」のブロックです。
「報酬」ブロックには、キャンバスの「チャネル」と「顧客との関係」ブロックが関連してきます。

 

結論は、「集客」の仕組み化をいかにつくり上げるかです。集客の壁をいかに乗り越えていくか。この記事では、回答を期待していると思いますが、これが正解という答えを用意していません。いくつかのヒントをシェアしています。

 

まずは、現在のあなたの報酬について考えてみよう

 

たとえば、あなたは給料(年収の12分の1)を30万円とします。
福利厚生費(25%と仮定)などを控除すると、225,000円/月になります。
もちろんこの給料がずっと続くことは納得はしていません。
30万円丸々もらえるといいのですが、福利厚生や税金などは発生します。

 

では、225,000円/月をあなたの月間労働時間で割り算してみましょう。

 

ひと月は30日、4週間で土・日は休日とします。そうすると、22日間働いていることになります。ここでは残業時間はないものとしましょう。
一日8時間労働(拘束時間)とすると、22日×8時間=176時間/月になります。
実際の労働時間は、有給休暇や夏季・冬季などいくつかの種類の休暇がありますから、もっとすくなるはずです。ここではそれは考慮しないことにしましょう。

 

時給はいくらになるでしょうか?

 

225,000円/月÷176時間/月≒1,278円/時間
30万円/月で計算すると、約1,705円/月になります。
時給は、1,300〜1,700円になりますね。

 

組織(会社)では交通費や接待費を提供してくれます。これは時給に含まれていません。

 

あなたが一時間動けば、平均1,500円以上のコストがかかります。

 

ここからは仮にあなたが起業したことを考えてみます。スモールビジネスのオーナーか、資金があってそこそこの規模の会社オーナーかわかりませんが、共通する点もあるでしょう。

あなたのビジネスモデルでは、どんな商品・サービスをいくらで販売することになりますか?

それは何度も顧客が短期間にリピートするものですか、一度きりのものですか?
価格はいくらでしょうか?
注文(依頼)に際して、あなたのコストは高くつきますか、それとも低いですか?
通常の顧客とのコミュニケーションにかかるコストはどうでしょうか?

 

いずれにしても価格は決めなければなりません。

 

仮に、単価3,000円としましょう。

 

30万円を得るためには、各種コストを考えると、少なくとも毎月100人以上の顧客に販売しなくてはなりません。
既存顧客に新しい顧客を加えて、毎月100人以上に販売可能でしょうか。
それも、あなたが朝から晩まで身を粉にして、働いて、疲弊するようなビジネスでは続けていくのは難しい。

生計に足る報酬を得るには、たとえば上記のような販売のための集客を継続的に可能にしなければなりません

そのためには、ビジネスモデルの検証のときに、このようなマーケティングが可能なことも証明しなければなりません。
今、あなたが所属している組織が何人もの従業員に、きちんと給料を払い続けています。いかにすごいことなのかわかりますね。

独立・起業で成果が出ないのは、この集客の仕組みづくりを後回しにしている場合です

すぐにあなたの商品・サービスを買ってくれる顧客をいつもたくさん抱えてから、満を持して事業展開していくことが大事になってきます。
ビジネスモデル検証のときに、集客のシステム化が確立していれば、ビジネスを始める前にすでに、成果が上がっていることになります。

 

集客の仕組み化の構築は、マイクロ(スモールよりさらに小さい)ビジネスでも同じです。毎月、毎年、継続して生計を立てていくには、避けて通れません。

 

「壁・障害」は、「集客の仕組みづくり」です

販売する目的と、集客のシステム化がビジネスの成否を握ります。

 

実際に想定顧客と面談するときには、集客に関することについても、聞いてみましょう。
どんな本や雑誌を読んでいるのか、どんなサイトをよく見ているのか、趣味は何か、どんな不満や不安を抱えているのか、どんな人になりたいのか、どんなところで食事しているのか……、すべてが集客のヒントになってきます。

 

あなたのビジネスがどんな業界に属するのか。
業界ではどのような集客システムを採用しているのだろう。
研究が必要です。
まったく違う業界の集客システムも調査してみましょう。
異業種などのやり方で成果を上げている方法を採用できないか。
あなたの友人、知人、よく行く場所で出会う人に、聞いてみましょう。

 

専門的な書籍もありますが、気軽に読めて刺激的な次の書籍で、ビジネスやマーケティングについて知識を固めておきましょう。
ブックオフなどでも出回っていますので、さくっと読んでみてください。

キャンバス活用のビジネスモデル思考を身につけている人は少ない

このように考えてみると、ビジネスモデル思考がいかん大切なスキルか分かってきませんか。
関係者と自社や他社のビジネスモデルを共通の言葉で議論できるようになります。
キャンバス上で9つの要素に沿って、様々な情報を整理したり、全体の整合性を考えるスキルを身につけている人は周りにいるでしょうか。

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