<5>ライフラインの出来事を描写する。仕事の満足度を決定づける要素(関心)を見つけ出すために
前回記事では、STEP1の作業として、ライフラインを描く方法、そのポイントを紹介しました。
今回はSTEP2「出来事の内容を描写する」ことについてです。
ライフライン図に登場した一つひとつの出来事について、短い文章で表現してみよう。
表現するための4つのポイント
- 出来事を説明すること。
- 動詞をたくさん使うこと。
- 一つの出来事について、ふたつ以上の動詞を使うこと。
- 出来事の状況や背景も書くこと。出来事の起こった場所やテーマなども。
いつ、どこで、何を、なぜ、だれと、だれのために、どんなことを、どのように行った、という内容です。
出来事の描写には、例えばA4用紙を16分割などして出来事ごとに描写するといいですね。出来事リストを作るという意味ですね。
上記のポイントもありますが、完璧に出来事の内容を描写することはありません。どんどん出来事の内容をまずは描写していきましょう。文章を書いた後に、また一つひとつ見なおして足りないと思った内容を追加、あるいは変更/削除をしていけばいいですね。
ひと通り書き終わったら、読んでみてください。きっと、「私はどんな人?」なのか把握できるでしょう。
では、先に進みましょう。
STEP3のエクササイズです。
STEP3「関心を認識する」
関心とは、あなたを本当にあなたたらしめる、大切な才能(キーリソース)です。
ライフラインでの(プラスの)高いポイントを付けた出来事(ワクワクさせた出来事)を考えてみます。
書籍『ビジネスモデルYOU』のガイドは次のとおりです。
- どんなコンテキスト(業界/テーマ/関心のある分野)でそれは起こったのか?
- どんな活動や行動があったのか?
- 他に何かの共通点はないか?
- それは特定の関心をあなたが持っていることを示していないか?
- 関心はライフホイールの結果と一致しているか?
- キャリア変更の決断した際の、ポイント(プラスあるいはマイナスポイント)を確認してみる。
書籍『ビジネスモデルYOU』では、キャリアへの満足度を高めるに必須なのは「統制の内的所在」だと言っています。
「統制の内的所在」とは、あなたのしたいことをあなた自身のために決めるのがあなただ、
という意味です。
周囲から影響を受けないで、自分で決めるということですね。
周囲から影響を受けないで、自分で決断するというのは大変難しいことです。周囲からいろいろな情報が入ってきても、他者に頼らずに、主体的に判断、決断するということだと思います。
満足度の高さは主体的決断による
出来事の中で比較的満足度の高い(プラスポイントの高い)選択では、こうした自己による決断が相当部分占めているのではないでしょうか。
その出来事の中に、自分の関心の核心があったと思います。それは何でしょうか?
STEP3の最後に、ライフライン図に描いた高いポイント獲得した出来事には、どんな自分の関心があったのかを理解できるようになります。
「私はどんな人?」としての自分の気づきを文章にしておきましょう。次のポイントを参考にしてみよう。
- どんな関心をもち、どんな活動をして、どんな状況の中で、満足を得てきたのか。
- 心から喜びを感じたのはどんな時だったのか。
- 自分の成長はどんな活動を通して得られたのか。
- 自分の鍵となるのはどんな動詞でしょうか?
- (開発する/創造する/想像する/作る/学ぶ/調査する/分析する/実行する/一緒に動く/販売する/指導するなど)出来事を描写した時の動詞などを確認してみる。
次回は、ライフラインの最後のエクササイズなります。
今回までにライフラインを描き、出来事を描写し、自分の「関心」を導き出してみました。
次回STEP4「スキルと能力を特定する」作業に入ります。
STEP4の作業の次が、「個性と環境」にスポットを当てて、自分の個性の傾向性を把握していきます。
「ホランドの6つの傾向性」という方法論から自分の個性と傾向性を知ることになります。
つまり、「関心」と「スキルと能力」と「個性」の3つを把握することになりますね。
これで、キャリアのスイートスポットが発見できるわけです。