現実とは何か?自分の作り上げてきたメンタルモデル(固定観念)とは?

モデルを再構築していくときに役に立つかもしれません。

 

私たちは常に「今」という「現実」に影響されて、右往左往します。

 

ときには打ちのめされるような現実があります。この厄介な「現実」とは何でしょうか?

 

ビジネスモデルYOU』のCAPTER6「自分を再構築しよう」(161ページから)では、今私達が直面している「現実」についての考察を紹介しています。

 

グーグル社員に対する講演するシュリク・ラオは、「もしパワーポイントのスライドを見ながら、心のなかの独り言に気づいたら、その声に従って動いてみてください」と語りかけ、社員は身体を左右に揺らしています。

人生の見方を根本的に変える

本書からこのエクササイズの理由と意味の部分をピックアップしてみます。(要旨)

私たちは皆、心のなかで絶え間ない本流のようにおしゃべりをしており、その真只中で生きている。そのおしゃべりは、世界はどうなっているのか、という私たちの「固定観念」を日々強化している。

 

あなたたちは皆、夢の世界に生きている。

 

人生とは、今経験している現実だけで成り立っているのではない。あなたが今まで語ってきたストーリー、そして、これから語り続けていくストーリーを合わせた全てにより、成り立っている。

 

人生の見方を根本的に変えること。

 

自分が伝えている考えにオリジナルのものは何ひとつもない。

 

私たちがどう生きてどう働くかは、究極のところ、人間の本質によって形づくられる。

 

誰もが、自滅的な心の独り言から逃れたい。自分を再構築することを望まない人がいるだろうか。


見方とは、英語でパースペクティブと訳されます。

 

見方を変えるとはどういうことでしょうか?

 

『ビジネスモデルYOU』では、英国の哲学者バートランド・ラッセルの思考実験を例にあげています。

 

20人が同時に一つの椅子を見ています。椅子を見る角度は、伸長の程度や、椅子に対する位置取りから、ひとつの椅子をそれぞれに上下左右から見ることになります。

私たちが経験している世界は、現実ではない

椅子はひとつですが、見え方は20人それぞれ違います。

見えている姿(私たちの見方)に基いているものだ。

物の見方が常に、私たちの知識を制限してしまう。

 

椅子への認識を20通りにも変化させられる。

 

現実を捉え直す力を使いこなす。現実を捉え直すことは、現実そのものを変えてしまう。

 

あなたが知覚しているキャリア、性生活、家族や友人との関係は、必ずしも全て現実だとは限らない。単に、現実をあなたの見方で捉えた姿なのだ

 

あなたの見方は、たくさんあり得る現実のうちのたった一つしか表していない。唯一の現実ではない。

 

問題になるのは、私たちが知覚したことを「現実」だと想定したとき、それが現実になってしまうことだ。

 

知覚したとは、心のなかのおしゃべりのことだ。
例えば、「私のキャリアは失敗だった」「上司は私を嫌っている」「嫉妬深い同僚は、私の努力を無駄にしている」などと言うことで、ますます強化される。

 

私たちが経験している世界は、現実ではない。

 

ラオの言葉――
私たちが「現実」を考案しました。私たちは断片を集めつなぎあわせて、「現実」を組み立てました。私たちは固定観念から現実を作り出し、そのうち固定観念の命ずるままに生きるようになりました。このようにして私たちは、固定観念が、事実ではなく単なる知覚の産物だということにも気づかないまま、生き続けていくのです。


現実は、私たちの知覚が創りだしたものだとすることが、正しいかどうかは別にして、たしかに私たちは現実を目の前にして、悩み苦しんでいる人と話をしてみると、本人が決めつけていることがいかに本人の行く道の選択肢を狭めているのかがよくわかります。

今の代わりになる状況、現実を想像してみる

冥きより冥きに入る、といった様子ですね。行き詰まってしまうと、自分の位置を変えることができなくなってしまいます。ここに見方を大胆に変える必要性を感じます。

 

固定観念を変えなければなりません。「視点を変える」と言い変えていいかもしれません。

 

自分の置かれている状況を、今後起こり得る状況に変えてみることです。今の代わりになる状況、現実を想像してみることです。

 

想像することで得られた代替案の現実は、突拍子もない現実であってはならない。今の状況よりも、良い現実でなくてはならない。今の自分が受け入れられる現実でなくてはならない。

 

人にとっては些細な現実でも、本人にとっては重い、過酷な現実である場合があります。うまくいかない現実があったら、自分のメンタルモデルを見なおしてみましょう。

  • 今の状況はどうなっていますか?
  • 今後この状況を、どんな状況に変えられそうかな?
  • 変えられそうな状況を想像してみたら、その通りにやってみよう。

いずれにしても行動に移すというときに勇気が必要です。勇気こそ状況を変える本質かもしれません。

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