パーソナルビジネスモデとは?

一人ひとりに個性がある。初めてでも大丈夫!

このページではパーソナルビジネスモデルをわかりやすく解説しています。
さらに、「個人」においてもビジネスモデルという考え方を取り入れなければならないのか」についても解説しています。

パーソナルビジネスモデル(PBM)入門

さて、「パーソナルビジネスモデル」とは何かを考えてみましょう。
ここでは次のような内容を理解しておきましょう。

  • はじめに「ビジネスモデル」とは
  • 個人のビジネスモデルとは
  • キャンバスとは
  • 9つのブロックとは
  • どうやってつくるのか
  • どれくらい時間がかかるのか?
  • 面倒くさいのでは
  • そもそもなぜ、必要なの?
  • キャンバスを描いた後はどうするの?
  • 起業という側面から活用できないか?

では、順を追って確認していきましょう。

はじめに「ビジネスモデル」とは

主に企業(組織)の事業(ビジネス)がどんな仕組みで動いているのかを説明するときに使われています。
企業は商品・サービスを消費者(エンドユーザー)に届けます。
消費者は、その商品・サービスが欲しくて購入しているわけではありません。

  • 商品・サービスを通じて、自分が求めている「何か」を得ています。
  • 商品・サービスから自分の「ニーズ」を満たしています。

「何か」「ニーズを満たすもの」とは、消費者が商品・サービスをとおして受け取る「価値」のことです。

 

企業は顧客である消費者に価値を届け、その仕組みをその企業独自に築いています。
企業は消費者に支持される商品・サービスを通じて価値をどのように顧客に届け続けていくのかを日夜デザインしています。
顧客を維持したり、新たに獲得したりして、売り上げを増大させて、利益を増やし、投資を継続的に続けているわけです。
こうした活動を総称して、ビジネスモデルと表現しています。

 

もっと簡潔に言うと、顧客に「価値を届けていく仕組み」を「ビジネスモデル」と呼んでいます。

 

次のリンク先をクリックして、さらに理解を深めてください。

 

■■「ビジネスモデルとは

個人のビジネスモデルとは

では、個人にとってのビジネスモデルとはどういう意味があるのでしょうか。

 

仕事をすることで、「継続的に生計を立てていく仕組み」といっていいでしょう。

 

企業(組織)のビジネスモデルではなく、個人が仕事をしていく上でのモデルです。
商品・サービスがあなた自身だったら、どんな顧客に、どんな価値を、どのように届けているでしょうか。
それを表現すると、どんなふうになるでしょうか。

 

あなた自身がマイクロ(スモール)ビジネスを立ち上げていく場合を考えて、想像してみてください。
主体はあなたです。あなたを商品・サービスとしてとらえてみることです。

 

企業や組織などのビジネスモデルでは、商品・サービスに光を当て、顧客に届ける価値を中心に据えて、必要な取り組みを行っています。

 

個人の場合は、個人の持っている関心・個性・スキルと能力を重視します。
これをキーリソースといいます。

 

顧客に向けたあなたならではの行動・活動はこのキーリソースが源泉になります。
キーリソースと活動から、あなたならではの価値生まれてくると考えます。

 

「キーリソース」から出発し、「誰のために役に立ちたい」のかを明確にして、自分のビジネスモデルをデザインしていきます。

 

ビジネスモデルの表現は、必要最低限の9つのブロックで考え、一枚の紙に描いていきます。この表現方法は組織の場合と同じです。
この9つのブロックは、それぞれに関連性があります。9つのブロックは一枚の紙(キャンバス)に配置されています。

キャンバスとは

9つのブロックを一枚の紙に関連性を考慮して配置したものです。
個人に適用するので、パーソナルビジネスモデル・キャンバスといいます。

 

パーソナルビジネス・キャンバス
図の拡大表示の方法
図の上で、

  • マウスを使って拡大・縮小する方法
  • 【CTRL】キーを押しながら、ホイールを前後させます。

  • タッチパネルでの方法
  • 二本の指で【ピンチ】します。
    Windows10タッチパネル基本操作

9つのブロックとは

パーソナルビジネスモデル・キャンバスは9つのブロックに分かれています。
9つのブロックとは、キーリソース、キーアクティビティ、顧客、与える価値、チャネル、顧客との関係、キーパートナー、報酬、コストのことです。

 

キーリソースとは、あなたはどんな人?どんな資産(リソース)がある?という質問に答えます。目には見えないあなたの関心、個性、スキルと能力のことで、具体的な資産も対象です。
キーアクティビティとは、あなたならではの大事な仕事や取り組みことです。
顧客とは、誰の役になりたい?誰のためになりたい?という「誰」のことです。
与える価値とは、顧客にどう役に立ちたい?どうためになりたい?という質問に答えます。
チャネルとは、顧客にどう知らせる?どう届ける?という質問に答えます。
顧客との関係とは、どう顧客と関わり、接する?とかいうことです。
キーパートナーとは、カギとなるあなたの協力者のことです。専門家なども入ります。
報酬とは、何を手に入れる?かということです。金銭的なもののほかに、満足感などもあります。
コストとは、何を費やすか?ということです。金銭的に出ていくもの、ストレスなど精神的なものも入ります。

 

9つのブロックについてもっと詳しく知りたい方は、次をクリックしてご確認ください。当ブログの【用語の解説】で取り上げています。
■■【用語の解説】パーソナルビジネスモデルの9つの要素とは

ワークシートのダウンロード

■■個人キャンバス(ブランク)をダウンロードする。
■■9つのブロック(要素)の意味をダウンロードする。

どうやってつくるのか?

パーソナルビジネスモデル・キャンバスの9つのブロック(要素)を理解します。
次に、一枚の紙を用意し、9つのブロックに分割します。当ブログで提供しているフォームをダウンロードして印刷して使うこともできます。
リソースから順番に、自分自身のことについて短い文章、単語でブロック内に記述していきます。
作成方法ということではこれだけです。
下図のような手順です。

 

パーソナルビジネス・モデル作成の手順

 

上図について簡単に説明します。
手順としては、まずはキャンバスの9つのブロックの意味を理解することから始めます。
そのためにはいくつかの事例を参照してみるといいでしょう。

公開している参考になる事例
書籍『ビジネスモデルYOU』に登場する事例を読む。
書籍『 1万円起業』で紹介されている内容をキャンバスに落とし込んだものです。

■■米国のマイケル・ハンナ(男性)のマットレス屋(P20)
■■カイル・ヘップ(女性)のウェディングカメラマン(チリのサンチャゴ在住)(P51)

当サイトのキャンバス事例を閲覧してみる。

最初のモデリングは自分と自分の仕事を対象に

次に、キャンバスに向かって現在の自分のモデルを描いていきます。この作業をモデリングといいます。
モデリングに際して、最初は現在の自分の仕事を対象に考えていきます。9つの要素についてそれなりに理解の程度が高いと思いますので、考え込むことは少ないと思います。疑問が生じたときには相談できる相手もいることでしょう。

 

モデリングする順番の最初はキーリソースです。
次にキーアクティビティ、顧客、与える価値、チャネル、顧客との関係、キーパートナー、報酬、コストの順になります。

キャンバスを修正するときに

キャンバスを修正していくときに、問題になるのは9つの要素の整合性です。

 

あなたの「キーリソース」から「キーアクティビティ」が生まれているのか。

 

顧客は複数登場するでしょう。顧客ごとにあなたの「キーリソース」と「キーアクティビティ」から「与える価値」が明確になっているでしょうか。

 

改善が必要ならば、9つの要素うちどの要素でしょうか。それは何かを減らすことでしょうか、増やすことでしょうか。すると何に影響することになるでしょうか。

 

新たに取り組むことがあるでしょうか。

キーリソースを再確認したいときに

キーリソースの確認をしたい場合には、自分の関心、個性、スキルと能力を理解するために、いくつかのエクササイズをします。
基本は、ライフラインを描き、ライフラインに登場するいくつかの出来事についてきちんと文章化します。

 

次に、その出来事をもとにして、スキル・能力チェック表で自分の活動していたことに近い言葉をチェックします。
このチェック表の内容をもとにして、自分の傾向性を理解します。
また、この表から「自分に何ができ、何がしたいのか」を導き、明確にしていきます。

 

最後に、自分の「目的宣言文」をつくります。この文章は描き上げたキャンバスのタイトルでもあります。

 

ここまでの一連の流れは、わたしの事例を中心にブログ左側のカテゴリーで記事にしています。キーリソース関係では次のカテゴリーです。

 

■■1.キーリソース
■■1-1.私はどんな人?
■■わたしはどんな人?自分の核となる関心ごとにフォーカスする6つの方法(同上の中の記事です)
■■1-2.目的宣言
これらのエクササイズの情報をもとにして、一番最初に作ったキャンバスを見直していきます。

作成にどれくらい時間がかかるのか

9つのブロックの理解から始まり、自分のことを理解するエクササイズを行いますので、5,6時間はかかるでしょう。
集中力はそう長く続きませんので、目安として下記のように、いくつかの作業に分割して、取り組むといいでしょう。

  1. 【30分】キャンバスの9つの要素の意味と事例を読み解く。

    ■■個人キャンバス(ブランク)をダウンロードする。
    ■■9つのブロック(要素)の意味をダウンロードする。

  2. 【30分】(現状把握)現在の仕事上でのパーソナルビジネスモデルを描く。
  3. 【60分】(自分を理解する)エクササイズ「ライフライン」を描き、出来事リストをつくる。

    参考記事
    <4>自分をワクワクさせるものを確認するためにライフラインを描く
    <5>ライフラインの出来事を描写する。仕事の満足度を決定づける要素(関心)を見つけ出すために

  4. 【20分】出来事リスト毎に、スキル能力表をチェックし、集計する。

    参考記事
    <6>ライフライン図から出来事を描写し、次にスキルと能力を特定する方法

  5. 【10分】集計結果を「ホランドン6つの傾向」図に記入して、自分の関心、個性の傾向を理解する。

    参考記事
    わたしはどんな人?<8> 「ホランドの6つの傾向」で自分の傾向性を把握する

  6. 【20分】3つの枠組みで「目的宣言文」を作成する。

    参考記事
    事例:目的宣言文のための3つの枠組みとワークシートの活用

  7. 【20分】最初に作ったキャンバスをこれまでの各エクササイズで気付いたことを反映して修正など行う。

    参考記事
    パーソナル・ビジネスモデルをもう一度描き直す

  8. 【そして、行動を起こす】

    参考記事
    モデルを現場でテストする
    実践的かつ具体的にモデルを改善するための「ピボット」

面倒くさいのでは?

キーリソースを明らかにする部分ではかなり手間取ることになります。
何しろあまり自分のリソースのことを真剣に考えたこともない人も多いと思います。

 

あなたはどんな時に自分自身を見つめ直そうとしますか。

 

多くの場合、仕事上あるいは人生で危機的な状況に陥ったときではないでしょうか。その意味では、自分自身を見つめることは、そうそうないということもできます。

  • 余儀なく仕事を辞めることになった。
  • 病気になってしまった。
  • 起業を考えている。
  • 今の仕事に行き詰ってしまった。
  • 家族に大きな変化が訪れた。

こんなときにあなたどのように動きますか。キャンバスをヒントに現在と将来を見据えて前に進むこともできます。

そもそもなぜ、必要なの?

私たちの環境は数十年前よりもかなりのスピードで変化しています。このような環境の変化に私たちは適応もしくは対応していかなくてはなりません。

 

環境変化が訪れてからでは後手になってしまい、思わぬ危機に遭遇することになります。
現在のキャンバスから、自分を取り囲む環境がどのように変化すれば、どのように適応すべきかを考えておく必要があります。

 

キャンバスには、今の自分と環境(今働いている組織を含む)が描かれます。そして、方向付けとして自分はどのようなキャリアアップを目指すのかで、キャンバスを変化させていかなければなりません。
そうして描きなおされたキャンバスに基づいて、リソースの強化や新しいものの取り込みなどを考えることになるでしょう。

 

行き当たりばったりの対応ではなく、自分の価値観に基づいて、未来に変化を及ぼし、自分らしい生き方を目指すことがワーク&キャリア・デザインのポイントです。
環境の変化に負けない自分づくり、自分らしい生き方をしていくために、キャンバスが役に立つでしょう。これがパーソナルビジネスモデルを創っていく目的です。

キャンバスを描いた後はどうするの?

キャンバスの段階ではまだ仮説です。
キャンバスに描いたモデルが機能するかどうか、現場で顧客に会って話を聞きながら検証していくことが大事です。
顧客との出会いで、キャンバスを修正したり追加したり、あるものは削除することもあります。
こうしてキャンバスに描いた自分のビジネスモデルをブラッシュアップしていきます。
こうした行動をとおして、キャリアアップを具体化させていくことになります。
行き当たりばったりではなく将来を見据えて、意図的にコントロールしていきます。
自分の環境が劇的に変化した場合は、キャンバスを真っ白な状態から、環境を認識して描きなおすということもあります。

起業という側面から活用できないか?

可能です。
ただし、パーソナルビジネスモデル・キャンバスには、時間軸が登場しません。
そこで、キャンバスに描いた内容から、将来に向かって起業していくために、どんな目標が必要なのかを切り出していくことになります。
そして、目標設定していくわけです。
何のために、何を、いつまでに、どのように実行していくのか、ということです。
また、自らのビジネスを所有していて、何らかの事情で思うようにビジネスが機能していない場合、キャンバスに現在のビジネスを落とし込んでみて、ビジネスモデル全体を見極めることができます。
起業の場合、顧客はだれか、顧客の抱えるニーズにどんな価値を与えていくのかが最大のポイントになります。
顧客が片付けたい用事を円滑に片付けてあげるような価値を提供できるかどうかで収益に違いが出てきます。他社との差別化につながります。


なぜ、個人においてもビジネスモデルという考え方を取り入れなければならないのか

いま、あなたが抱えている問題や課題は何でしょうか。
次にいくつかの質問を用意してみました。
質問に答えてみましょう。

 

  • あなたのキャリアアップも方向付けをどのように考えればいいか。
  • 組織の中であなたらしい仕事の仕方はどうあるべきか。
  • あなたの能力・スキルを活かした仕事をしたいが、あなたの強みはなんだろうか。
  • あなたはどんな関心を持っているのだろうか。
  • あなたの個性はどんなものだろうか。
  • あなたの携わっている仕事・ビジネスはどんな仕組みで動いているのだろうか。
  • 顧客・クライアントのウォンツやニーズはなんだろうか。
  • あなたが重要だと思って活動していることは果たして価値を生んでいるのだろうか。
  • あなたの顧客に与える価値とはなんだろうか。
  • 顧客・クライアントが受け取る価値とはなんだろうか。
  • 顧客との関係性で大事なことはなんだろうか。
  • あなたの顧客とのコミュニケーション(集客・届ける・決済のことなど)は適切だろうか。
  • あなたはキャリアアップのためにどんなコストを費やしているのだろうか。
  • 何を得たくてあなたは仕事をしているのだろうか。
  • 何を得ることであなたは仕事に満足しているのだろうか。
  • 組織の内外の環境変化にどのように対応していけばいいのだろうか。
  • そもそも仕事とは、ビジネスとはなんだろうか。

顧客とはあなたが組織の従属している場合は、社外と社内に存在します。
あなたがビジネスを動かしている立場でも、これは変わらないでしょう。

 

こうした質問の答は個人によって異なります。
正解はありません。

 

キャリアアップや起業の方向付けに欠かせない質問だと思いますがいかがでしょうか。

 

このような質問に答えていくための思考のフレームワークとして、パーソナルビジネスモデル・キャンバスがあります。

 

パーソナルビジネスモデルは、個人が継続的に生計を立てていく仕組みのことです。
この仕組を見える化したものがパーソナルビジネスモデル・キャンバスです。
パーソナルビジネスモデル・キャンバスは、個人の仕事をして上での一枚の紙の上に描かれた設計図とも言えます。
描いていく過程をモデリングあるいはデザイン、分析などといいます。

 

あなたならではの質問の回答を描いていくことできます。

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