わたしはどんな人?<8> 「ホランドの6つの傾向」で自分の傾向性を把握する
職業の選択上、留意すべき観点はなんでしょうか?
- 今までに学んできたことの延長線上で選択すべきなのだろうか。
- 自分の能力を発揮できるところを優先して選択すべきなのだろうか。
- 知人、友人の助言をもとに判断すべきだろうか。
- 友人たちと同じような道を選択すべきなのだろうか。
- 入れるならば、ともかく大きな企業を選択すべきなのだろうか。
さまざまな疑問点が浮かんできますね。
職業選択のふたつの観点
書籍『ビジネスモデルYOU』では、次のふたつの観点が重要だと指摘しています。
- 自分の「個性」
- 個性に調和する「環境」
米国の心理学者であるホランドは数十年前に、「特定の職業への関心は個性の現れだ」という考えを提唱しました。今では決して目新しい主張ではありません。しかし、大切な視点です。
職業への関心は自分の個性を表し、職業とは自分の生き方を表現しているといえます。私たちは職業(の選択)を通じて、自分の個性や人生を表現しています。
職を失うことは自分の表現基盤を失うことになりかねません。自分の個性も人生もやり場のない空間に漂うようなものです。職を得る、働くということの意味は生きていく上で大変重要なことだということがわかります。
ホランドの6つの個性の定義
ホランドは、職業への興味を個性の表現として理解できるように6つの異なる個性の傾向(タイプ)を定義しています。(次図参照)
私たちは6つの個性を併せ持っていて、個人によって特定の傾向性が強くなるようです。
前回のスキルと能力を特定するエクササイズで、チェックした表を思い起こしてください。表と図の項目が一致していますね。
6つの個性とは何か?
書籍『ビジネスモデルYOU』で定義されている部分を引用します。
社会的(C)人と協力して、何かを知らせ、発展させ、助け、世話をするのを好む。人間関係/教育における能力。現実的な職業や状況を避ける傾向。
芸術的(A)
形のあるもの、ないものを使い、芸術作品や製品を創りだすことを好む。芸術的/言語的/音楽的能力。組織化された活動や慣習的な職業を避ける傾向。
研究的(I)
物理的、生物学的、文化的現象の調査や研究を好む。科学的/数学的能力。企業家的な職業や状況を避ける傾向。
企業家的(E)
組織の目的や利益を達成するため、人に影響を与え、率いていくことを好む。リーダーシップ/説得の能力。研究を必要とする職業や状況を避ける傾向。
慣習的(C)
組織化された状況で、データを整理/処理することを好む。事務/計算の能力。曖昧で、自由で、組織化されていない職業や状況を避ける傾向。
現実的(R)
主に屋外で、道具、機械、動物と一緒に働くことを好む。機械を操作する能力/運動能力。社会的な職業や状況を避ける傾向。
前回のエクササイズで、チェックした言葉の数などから類推すると、自分の傾向が理解できることでしょう。
私の場合はどんな傾向が見られるのか
前回のエクササイズの言葉の数を記入してみました。(下図)
慣習的(6点)、芸術的(8点)、社会的(7点)は、ほぼ同じポイントでした。
比較的高いポイントは、現実的(11点)で、突出したポイントを示したのは、研究的(17点)と企業家的(15点)です。
注目すべきことは、相反することが私の個性として同居しているということです。研究的な傾向と企業家的傾向は、ホランドの6つの傾向から見ると、相反することだからです。
さて、これをどう評価したらいいのでしょうか。
私の現状を表すように、次のような文章を考えてみました。
活動としては極めて現実的な面が強い。
現実的な活動の局面で生じる問題解決のために、
該当する専門分野をその都度集中的に学習し、
現場に活かす努力を厭わない。
一連の活動のプロセスから、
現在自分のビジネスを起こそうとしている。
学んできたことを自らのビジネスに生かし、
ビジネスを組み立てていこうとしている。
ただし、どちらかと言うと、
研究的な傾向が強く、この傾向を存分に活かすことだ
都合のいい内容のようですが、何事も無理のないようにポジティブ、楽観的に捉えましょう。