ティール組織−マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現<自分に正直に生きる>

2018/2/10

 

ティール組織とはいま世界で注目されている組織の概念です。
毎日新聞2月6日(火)付夕刊3面の特集ワイド 3版に「読書日記」というコラムがあり、
文化人類学者の上田紀之さんがこの本のついて感想を書いていました。
ティール組織

ティール組織

この記事の見出しは「自分に正直に生きる」です。

 

冒頭の書き出しはこうだ。

 

ぼくたちの多くは組織で働いている。

だから自分の幸福度は組織の良し悪しに大きく左右される。
だけど良い組織とはいったい何だろう?
給料が良ければいい?
人間関係?仕事のやりがい?

 

ちょっと自分でも考えてみた。

 

組織に依存した、頼りにした生き方は嫌だし、
かと言って、最近よく言われているようなブラックなところでは
どんなにやりたい仕事でも長続きはしないだろう。
給料が良くても、仕事環境や人間関係に問題があるところだと
精神的に崩れてしまう。
周囲に影響を与えて、変えていけるような自分自身が必要だ。
組織は良き方向に変わるはずだという前提を信じているからだが。
職場にいる人たちと協力して、いい組織を築き上げていくことができるだろうか。

 

紙面では次にように、既存の組織を色で区別しています。

  • レッド(衝動型)−恐怖による支配、マフィア・ギャングなど。強者の勝手な意向に振り回され無力な自分のレッド。
  • アンバー(琥珀=順応型)−規則、規律による階層型組織、教会や軍隊。組織の全員が従うべき規範が生じるアンバー。
  • オレンジ(達成型)−成果主義、効率性を追求する営利企業。個人個人が自由に自己の成功を最大限に達成しようとするオレンジ。
  • グリーン(多元型)−多様性と平等、人間関係を大切にする組織。他者とのより良い関係性を求めるグリーン。

ティール組織の色は、青緑です。

 

わたしたちの周りではオレンジが主流で、生きずらさを感じている人も多い。
みんな疲れ切っているような印象を受けます。

 

そんななかでグリーン型の組織に憧れ、そんな仕事場を求めているが、
なかなか見つからない。

 

見つかっても食べていくのにやっとというところだろう。これでは長続きしない。

 

上田さんはティール組織の特徴を次のように指摘しています。

 

ティール組織で初めて、

われわれの意思決定の基準が外的なものから内的なものになる。
私は自分に正直に自分らしく生きているだろうか。
各自が本来の自分の姿を内省しながら、
極めて活き活きとした組織。
その組織には三つの特徴がある。
上司や経営陣はおらずメンバーは自主経営をする。
一人一人が役割に縛りつけられず、全体性を持った人間として存在する。
利益や効率性といった外的成果ではなく、組織の存在目的に耳を傾ける

 

(赤字はブログ運営者が強調)

 

このようなティール組織で、利益を出しながら個人の生活も保障され、
永続できるのだろうか。運営のポイントは何だろう。誰でも疑問を持つ。
いったいどこにこのような組織があるのだろう。
上田さんいわく、
「この本の中に世界中で調査した実例がたくさん取り上げられている」。

 

ここではその実例は挙げると、本を読まない人もいる?ので、
書きません。夕刊を読むか、本を読みましょう。

 

さて、上田さんは現在の組織の状態を、働く人の視点から次のように
書評を締めくくっています。

 

そうそう、会社もどこもかしこも、

評価や調整のための管理部門のなんと多いことだろう。
みんなが忙しくなり、
本質的な仕事に向かい合える時間がどんどん少なくなり、
そして生きる喜びも少なくなる。
自分らしく生きているか。
自分が深まっているか。
そんなことは仕事とは別だと最初から諦めているのが、
そもそもの人間の敗北なのかもしれない。
自分に正直に生きる、
そのシンプルな出発点の大切さを深く思い返した。

 

自分らしい「自分」とはどういう「自分」なのでしょう。
おそらくこれが「自分」だと、表現しきれないと思います。
記事の中の言葉に、

 

「本来の自分を内省しながら」
「役割に縛り付けられず」
「全体性を持った人間として」
「組織の存在目的に耳を傾ける」

 

とあるように、仕事や人に向き合っていく際に、
このような姿勢を保つことが
その時々に「自分」らしく生きていくことにつながるような気がします。

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