ライフステージとともに変わり続ける「目的宣言文」。「目的」と「目標」の違いは?
目的宣言文を何とか作ってきました。
目的宣言文は一度作るともう作り直す必要はないのか?
そんなことはありませんね。
10年前の自分と今、これから先の10年後。
25歳の自分、35歳の自分、45歳の自分では、
経験も、キャリアも、家族構成も、収入も、周囲の人々も、組織も……、
自分を取り巻く環境の多くが変化します。
ビジネスにおいてもそうですね。
顧客は、市場は変化しますから。
個人においても、組織においてもそれぞれステージに変化が訪れるはずです。
自分の本質的な能力や関心ごとなどは、時間の経過に劣化せず、それほど変わらないものです。それは、ライフラインを描いて見るエクササイズで確認したとおりです。自分の傾向性、性向はさほど変化しないものです。
(明らかに、悪いと思う傾向性や性質もなくならいようです。しかし、それを表面化できないようにすることはできますね。)
「目的」と「目標」の違い
さて、「目的」と「目標」という似たような言葉の違いは何でしょうか。
『ビジネスモデルYOU』では、次のような言葉を通して違いを指摘しています。
「北極ではなく、北極星を目指して進め」(松本大氏の発言から)
「北極星」とは、組織のビジョンを示したもので、常に全員の努力を束ねていく指針となる。「北極」とは、達成されなければならない目標を表す。いったん目標に達すると、また新しい目標が設定され、繰り返される。
さらに、スティーヴン・シャピロ『Goal-Free Livinng(ゴールのない生活)』の一節を挙げて方向感覚を持つことを、目的を持つことだと、力説しています。
目的を持つとは、特定の目的地を求めて努力することではなく、方向感覚をもつことです。
目的は羅針盤(方位磁針)を持って進む方向感覚だ
「地図ではなく方位磁針を使用せよ」
「目的を持ってブラブラ歩け」
ミッション・ステートメントと目的宣言文の違い
書籍『7つの習慣』で言うところの「ミッション・ステートメント」とパーソナル・ビジネスモデルの「目的宣言文」は異なるのでしょうか。
混同しないようにしましょう。
『7つの習慣』の第2の習慣「終わりを思い描くことから始める」では、自分自身のミッション・ステートメントをつくりあげていくことの重要性を解説しています。ミッション・ステートメントは、人生の目的であり、一生かけて実現していくものでもあり、将来に向けての人生の方向付けを示しています。
パーソナル・ビジネスモデル(PBM)を構築では、まず自分自身から出発します。それはキー・リソースである自分自身を理解して、PBM を描いていく最初の一歩です。
「目的宣言文」は、描き終えたあなたのPBM はどんなものかを、ひと言で表現するものです。まだ作り物であるあなたのPBM に魂を吹き込み、アクションに勢いを与え、「顧客」にあなたのPBM がいったい何なのか明確に示すものです。また、あなたのビジネスに関する姿勢を表すものです。
あなたのミッション・ステートメントは、大切にしている原則や価値観、人格や使命を表現しています。
PBM におけるあなたの目的宣言文は、あなたのPBM の内容を簡潔に表現することになります。次のような簡単な構文でつくります。
「私はこの活動を通して、この人を助けたい」
あなたの全般的な行動は、ミッション・ステートメント沿ったものになります。また、あなたのビジネス上では目的宣言文を実現する行動になります。
目的宣言文から外れていて説明できない活動は、あなたの描いたPBM にとって不適切ということになります。本当に必要な内容だとしたら、PBM を修正しなければなりません。