あなたのモデルを顧客に実証してもらうための準備
提案書などを提出できるような顧客を見つけた場合にどんな準備をすればいいのでしょうか。
『ビジネスモデルYOU』で勧めている3つのステップがあります。
目標は見込み客の立場から眺めてみること。
あなた自身を含め、世界が、彼らをどう見ているかを知ることです。
- その組織を、調査する展示会や業界イベントに参加する。
専門家やアナリスト話す。
近い分野の会社を訪問する。
その分野の専門誌や一般誌を読む。 - 意思決定者と会う機会を設ける
- 特定の仕事に関して、組織の役に立つ提案をする
この3つは特に目新しいものではありません。
相手のことを知り(理解し)、どんな役に立つ提案ができるのか熟考し、契約の意思決定者に何度か会い、成約に持ち込むというプロセスです。
相手が緊急に迫られていない限り、自らの商品・サービスを売り込むだけでは契約に至りません。相手の痛み(問題)を解決できることを理解してもらわなければなりません。
営業のプロセスAPDC
営業現場には、大雑把にAPDCという4段階のセールスステップがあります。
- Aは、アプローチ(訪問・打合せ)
- Pは、プロポーザル(提案・見積)
- Dは、デシジョン(意思決定)
- Cは、コントラクト(契約)です。
この後には当然アフターフォローが続きます。AとPがいかに大切かがわかります。
そのうえで、面談者は意思決定者あるいはその立場に近い人でなければ、論点はぼやけたまま進展は期待できません。意思決定者と話ができれば、互いの信頼関係が構築でき、様々な情報も入手できます。何度か会わなければなりません。
顧客には内部、外部情報があります。入手することはどちらにしても時間がかかります。その情報は集めればきりがないくらい膨大な量です。
顧客のビジネスモデルを明確化し、描き出す
そこで、せっかくビジネスモデルを学んでいるのですから、『ビジネスモデルYOU』では、顧客のビジネスモデルを明確化し、描き出し、分析することを勧めています。これを秘密の武器と呼びます。
『ビジネスモデルYOU』からの引用:
与える価値を簡潔に定義し、どのブロックが痛みどころ(Pain Point)になっているか考えてみてください。
(顧客の立場になって)競合他社には、どんな対抗策を取りましょうか?
自社(顧客)がビジネスモデルを改革したら、効果的に適応できるでしょうか?(ついでながら競合他社も、あなたの良い顧客になるかもしれません)
一つの痛みどころは、間違いなく財務です。
ほとんどの組織は収入を増加させるか、コストを下げることを望んでいます。
もしもあなたを雇ったら、あなたの与える価値が組織にどれだけの経済効果をもたらすのか、概算でも良いので計算してみましょう。
見込客があなたに満たしてほしいと考えられる重要なニーズは何か考え、それがわかったら、こんどは逆算していきます。
どんな与える価値が、そのニーズを満たすのに役立つでしょうか?
与える価値を生み出すキーアクティビティはなんですか?
ない場合、キーパートナーの協力を得ることができますか?
外部環境の変化が、顧客のビジネスモデルにどう影響しているか、あなたは説明できますか?
そして顧客が変化に適応するために役に立てますか?
こうしてあなたが考えたものをドキュメントにします。
1ページに収まる提案
『ビジネスモデルYOU』では、意思決定者は短く簡潔な文書を好むことから、「1ページに収まる提案」と称しています。
以下のシンプルな内容は作成する際のガイドラインになるでしょう。
- 目標:顧客がして欲しい仕事につながる。
- 概要と現状:詳細な準備があることを示す。
- ご依頼事項:決定あるいは次回の面会を促す。
- 連絡先
項目にしてみると、こんなものですが、この内容をドキュメントにまとめるのはそんなに簡単なことではありません。
あなたはビジネスモデル・キャンバスを作り上げてきていますので、まったく別なことを書く必要はありません。
相手によっては、分量の多い提案書や企画書にして、提出しなければならないかもしれませんが、コア部分はキャンバスを離れるわけではありません。
あなたのモデルが顧客にフィットしていれば、あなたのビジネスモデルを伝えるドキュメントを作成すればいいのです。
顧客の問題点などをで共有して、解決の方向づけを示し、あなたの提供するもので解決できることを正直に伝えればいいでしょう。
伝えて始めて、詳細を詰めていく次のステージに進んでいきます。