時間管理のマトリクスから見えてくるものは
2017/7/27
書籍『七つの習慣』でもっとも有名なフレームワークは「時間管理のマトリクス」ではないでしょうか。下図をどこかで見たことがある人は多いと思います。
緊急 | 緊急ではない | |
---|---|---|
重要 | 第1領域
・危機や災害、事故、病気 |
第2領域
・人間関係作り |
重要ではない | 第3領域
・無意味な電話やメールへの対応 |
第4領域
・暇つぶし |
緊急の活動とは、今すぐに取り組まなければならない活動である。「早く!」私たちを急き立てる用事だ。重要度は結果に関係する。重要な用事は、あなたのミッション、価値観、優先度お高い目標の実現につながる。(P249)(P251)
緊急の用事には、すぐに取り掛からなければならず、急き立てられるために、受動的に反応する。
緊急ではないが重要なことをするには、。能動的に率先力と主体性を発揮する必要がある。
第3、第4領域とは
第3と第4領域の活動時間を少なくすれば、自ずと第2領域の活動は増え、未来に良好な変化をもたらす資産が増えていくという考え方です。
現実的にはなかなかそううまくはいかない。なぜうまくいかないか困っている人がほとんどです。いつかうまくいく日が来ると思っているかもしれません。
さて、第2領域を当たり前に充実させていく方法があります。紹介する前に、第3と第4領域とはどんなところなのか確認しておきましょう。
第3領域は「重要ではないが、緊急が高い」活動に対応するというものです。「錯覚」の領域とも呼ばれています。
たとえば、上図の繰り返しになりますが、次のような諸活動です。
- 無意味な電話やメールへの対応
- 突然の来訪への対応
- 多くの会議(参加、準備など)
- 無意味な接待や付き合い
- 多くの報告書(読む、書くなど)
自ら主体性を発揮して行うのではなく、どちらかと言えば、他者からの要請や都合で動かざるを得ない状況に巻き込まれています。この領域は、時間とエネルギーを消耗しますが、やりきったという満足感はあります。でもそれは錯覚で、心の底からくるものではありません。振り返ってみると単に対応している、行っているだけで、役立っているという錯覚に過ぎません。
第3領域の活動には、「NO」と言える自分にならなければなりません。重要性のないものは断ってみましょう。
たとえばこんな言い方です。
「いま私は、○○という仕事を抱えています。その仕事が終わってからでもいいでしょうか。明日の午後からなら取りかかれる思いますが……」
「いま私は、○○と××に対応しているところです。ご指示の業務を引き受けると、今週いっぱいかかってしまいます。よろしいでしょうか?」
(フランクリン・プランナーからの引用)
また、第3領域に埋没していると、次のような結果が想定されます。
- 短期的な視野になる
- 八方美人に見られる
- 目標や計画を無意味に感じる
- 周りに振り回され、被害者い意識が強くなる
- 人間関係が浅くなり、壊れることがある
このような感情が第4領域に逃げ込ませます。第4領域は「無駄」といわれています。効果的な量であればいいのですが、度が過ぎる場合は生産性と効果性に著しく影響してきます。人生さえも台無しにしまいかねないこともあります。
第4領域の活動とは次のようなものです。
- 暇つぶし
- 長時間、必要以上の息抜き
- だらだらした電話
- 世間話
- その他、無意味な活動
- 快楽だけを追求する喜び
未来に変化を起こしていくために
未来に良好な変化を起こしていくための方法です。
人生が危機的状況に追い込まれない限り私たちはなかなか自分自身を見つめることごできないものです。でも危機を歓迎するわけにはいきません。
『七つの習慣』では、自分のミッション・ステートメント(MS)を作成してその実現に向かって進むことが大切だと述べています。心底自分のMSを実現したいと願うならば、強固な意志力を発揮できないわけがありません。
MSは自分の生きていく使命の表明であり、宣言かつ憲法です。自分自身が向かっていく「コンパス(羅針盤)」です。
常に、いつでも立ち戻り出発していく基地のような、航空母艦のようなものです。
MSをいつも意識して、毎週の活動計画を立て、勇気を奮い起こして忠実に取り組み続ける習慣が、第3と第4領域に迷い込まない方法です。週間スケジュールのツールとしては、次の記事を参考にしてください。